今イタリアの自転車業界がどうなっているかズッロ親方の発言があったので、
そのまま転載する。
「今のイタリア自転車業界、昔ながらの手法や哲学で作る自転車職人はもうほとんどいない。価格競争による効率化でここ十年でさっぱりいなくなってしまった。北イタリアに点在した数々の工房は軒並み閉鎖、生き残りを賭けた工房の数々は中国製のフレームに自社ブランドを入れて発売せざるを得ないデローザ、コルナゴやピナレロ、それを嫌ったスカピンは倒産し最近ではフォンドリエストも倒産した。名前は今でも残っているがもう以前の作り手とは何の関係もない。スカピンの場合は2003年より台湾の会社に買収され友人であったビルダーたちは工房をはなれてしまった。
もちろん中国製だからといって品物が悪いと言うことは出来ない、いまやキャノンデールさえが完全に中国生産にシフトしている。しかし中国で100年前からロードレースがあったという話は聞いたことがない。物が発明され時とともに進歩していくには土壌が必要でその中で作り手と使い手がともに製品を進化させていく。現在のロードレース用自転車が今の形になったのもこの地があったからで、この地に生きる人によって愛され使用されて進化してきたのだ。」
(TIZIANO本人談)
我々に出来ることは、本当の職人から自転車を買うことではないだろうか。