この本でちょっと前のイタリアの自転車工房の様子がよくわかる。
抜けている工房も多いが、最近の名前だけのメーカーについてもよくわかるだろう。
1990年代ぐらいからほとんどのメーカーが名前だけに成っている状況がある。
以前も書いたが、有名な大阪駅前のロードバイク専門店で、
当クラブの部員のかたが明らかに2サイズも大きなフレームを売り付けられた。
その方の話では、「高いものだから信頼性があるだろう」と思ったと言う。
自転車業界は、知識のないものには厳しい。
小売店の自転車買い取り制というシステムにも問題がある。
だからどうしても在庫をさばきたい。
「まあ常連じゃないからいいだろう」となる。
カンパ(campagnolo)の場合は、もっと深刻だ。
まずその店が、何十万もするカンパの工具を全部持っているか調べた方がいいだろう。
他の工具で代用できるものもあるが、
持っていない店はカンパは扱えないと思って良い。
カンパはかなりアバウトな部品で、
サンワの大将のような深い経験と職人技が必要なのだ。
素人でも扱いやすいシマノとは違う。
ぱっとみかっこうがいいから欲しいと言うのも危険だ。
今はフラッグシップモデルだけ本物で、
あとは格好だけ似せたいい加減なモデルで儲けている
日本人を対象にしたとんでもないメーカーも多い。
それがわからない買い手にも問題がある。
一見ネットで情報が溢れているようだが、
なかなか本当の情報は少ない。
特に最近耳学問でいっぱいの初心者が多すぎる気がする。
まずはもっと賢い購買者になろうじゃないか。