ちょっと疲労が抜けないときほど、モールトンのよさがわかるときはない。
乗っていて楽しい、しかも癒される自転車だ。
またそんなに乗っている人と出会わないのがいい。
そのものに「哲学」が具現されているもの。
そんなものがいい。
ただもうけようとしていないからだ。
いいものを作ろうという気骨が感じられる。
古いイタリアンロードバイクには塗装職人の名前まで刻まれている。
日常でも、誰が作ったのかがわかるようなものに囲まれていたい。
「デローザもウーゴが亡くなれば、ピナレロのようになってしまうだろう。
イタリアの職人魂は消えようとしている。」
これは、ルイジさんの言葉だ。
まだ手に入るうちに、70年代や80年代のいいフレームを手に入れたほうがいいだろう。